2024年12月21日から22日にかけて、KISA2隊 大阪・生野拠点でKISA2隊災害ブートキャンプオフ会を開催しました。
このイベントは、10月から全4回にわたりオンラインで実施してきた「KISA2隊災害ブートキャンプ」の総まとめとして行われたものです。
- 災害対応に関する知識を深める
- メンバー間の連帯感を強化する
今回のオフ会では、オンラインで学んだことを実際に手を動かして体験し、防災対応に役立つ知識や技術を身につけることを目指しました。
1日目(12月21日)
オンライン勉強会の振り返り
まずは、これまで学んだ内容をおさらい。災害時の対応の流れを再確認しました。
クロノロジー練習 & CSCA構築
2つの班に分かれ、災害状況の時系列(クロノロジー)を正確かつ素早く記入し、そこから読み取れる内容を抽出して「CSCA」を構築。実際やってみると、短時間で情報をまとめるのは思った以上に大変でした。
防災食の試食会
各自が持ち寄ったアルファ化米やレトルト食品を調理・試食。思った以上に美味しく、普段の非常食イメージが大きく変わりました。
段ボールベッドの組み立て
災害時の避難所などで使用する段ボールベッドを実際に組み立て。初めての人でも簡単に組み立てられ、慣れると5分ほどでできることに驚きの声が上がりました。
その後、近くの銭湯でリフレッシュし、夜は寝袋で就寝。災害時の簡易寝具を体感しました。
2日目(12月22日)
ラジオ体操
朝はみんなでラジオ体操をして体と気持ちを解きほぐし、気持ちよくスタート。
トリアージ体験
災害現場で行われるSTAET法トリアージを、20秒以内に判断することを意識して実施。
トリアージの目的は、医療資源と「必要としている方(患者・被災者など)」とのバランスが崩れている状態の中で、最大多数の被災者に最適な医療を届けるために、優先順位を迅速に分類することです。
限られた医療リソースをどのように配分するかを即座に判断する重要なプロセスでもあります。
二次的スクリーニング演習
トリアージに加えて、避難所での生活を継続できるかを医学的・福祉観点を駆使し判断する演習を行いました。
具体的には、集団生活が困難なケースや他の被災者に専門的な対応が必要なケース、見守りだけで十分なケース、現状で自立して生活を送れるケースなど、様々な症例を想定した上でグループディスカッションを実施。
避難所運営の複雑さとコーディネーションの大切さを学ぶ貴重な機会となりました。
防災グッズのお試し会
ガスボンベ式の発電機やソーラーパネル型充電器など、各自が持ち寄ったグッズを実際に使ってみて性能や使い勝手を検証。非常時でも役立つアイテムを学べる貴重な機会でした。
非常食のアレンジレシピ試食
アルファ化米をチャーハンにアレンジしたり、卵のトッピングを加えることで、さらに美味しくいただけることを実感しました。
参加者の声
災害医療といってもどのようにして組織が作られ、どう動けばいいのか分かりませんでしたが、今回よく理解できました。災害医療に携わる可能性がある者なら、といってもどの地域も被災地になる可能性があるのですから全ての医療従事者が知っておくべきことと思いました。 BCP策定はこれからうちの地域の医師会で取り組んでいこうと思っています。また教えてください。(医師)
みなさま、2日間ありがとうございました。オンライン勉強会の座学だけでは理解の浅かった、クロノロの記録からCSCAの構築までの流れを、手を動かして実践することで理解が深まりました。能登の支援に入っていた時、背景や意味合いをよくわからないままやっていた部分もあり、どうしたらよかったのかモヤモヤしていたことがスッキリしました。
災害現場のトリアージの心理的負担にも思いを寄せられ、最前線で任務に着く医療・介護従事者の方々への感謝の気持ちとともに、私たち裏方も頑張らなくてはと改めて思いました!(事務)
段ボールベッドは床からの底冷え対策には、極めて有効。しかし、それだけでは結構硬く、フローリングの上で寝たときみたいな感じで、朝起きたら腰が痛かったです。段ボールベッドの上に、何らかのマットレスや敷き布団を敷くと、完璧な寝床になるという知見を得ました(医師)
参加者の皆さんの率直な感想からも、今回のオフ会が実践的な学びの場になったことが伺えます。
イベントを終えて
今回のオフ会では、「学び」と「体験」がうまく融合し、防災知識を深めるだけでなく、メンバー同士の交流も一層強まりました。
オンラインで学んだ知識を実践に落とし込むことで、災害対応のイメージがより具体的になり、いざという時の心構えができたと感じています。
今後の展望
KISA2隊では、今後も定期的に防災関連の勉強会やイベントを企画・実施していく予定です。
「自分たちの地域でも同じような取り組みをしてみたい!」という方は、ぜひお気軽に事務局へお問い合わせください。たくさんの方々との連携が、防災力の向上につながると考えています。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!次回のイベントもどうぞお楽しみに。