
2025年3月16日に、『集団感染仕事人講座イベント』を東京で開催しました。
当日は荒天の中、36名の方に会場にお越しいただき、オンラインでは10名の方にご参加いただきました。予定していた3時間では収まりきらないくらい盛り上がり、会場は熱気に包まれてました!
全ては伝えきれないですが、ほんの少しでも当日の様子を感じていただけると嬉しいです。
クラスターが映す介護の本質 ~困難を乗り越える現場力とチームで築く介護の未来~
第一部・第二部の2パートに分け、第一部は『集団感染仕事人講座』の成り立ちと実践報告、そして慶應義塾大学大学院/健康マネジメント研究科教授の堀田聰子氏による講演を行い、第二部はクロストークをお届けしました。
全体を通して、参加者の皆さん自身が気づきやヒントを持ち帰ってもらいたいという思いがあったので、開始前・中間・終了前にアウトプットする時間を設けて、感じたことや自分の中に残しておきたいことを付箋に記してもらいました。
【第一部】成り立ちと実践報告
KISA2隊が考える介護福祉施設における感染クラスター対応とは?
「集団感染仕事人講座の成り立ちKISA2隊流クラスター支援とは?〜500を超える支援から得た学びと心得〜」として、まずはKISA2隊クラスター支援部隊隊長の金児大地氏より『集団感染仕事人講座』が出来上がるまでのストーリーとそこに込めた想いについてお話ししました。

『感染クラスター8』と『ユークリ講座』は、150件以上の施設クラスター支援に行った、KISA2隊施設クラスター支援部隊の金児氏らの知見が結集した内容となっています。
過酷を極める現場の状況をどう捉え、支援の形をどう工夫していったのか、そして自助の力で有事を乗り越えられる施設が増えていくために我々に出来ることは何か、本プロジェクトの意義を再確認できた時間でした。
毎日が有事な現場において、本質的な介護を実践すること
次に、横木淳平氏より『ユークリ講座』の根幹にある、介護の本質を捉え実践する「介護3.0」についてお話ししました。

「それは”そもそも”何のため?誰のため?」本質の部分を追究する姿勢や投げかける問いそのものが、現場で奮闘する方々にとって、ハッとさせられるとともに、燻っていた心の中の種に火が灯されていくのだと感じます。
横木氏にきっかけをもらい、発火したメンバーである四天王寺福祉事業団の吉住氏、松岡氏、乾氏に「介護3.0」のマインドやスキルを得た介護現場がどのように変化していったのか、個人の変化、フロアの変化、施設の変化と段階に分けて、その様子を語っていただきました。
葛藤しながらも、積み重ねていった小さな感動が大きな変革に繋がっていく、その実直な実践の様子が、参加者の皆さんの中にも沸々と湧いてくるものがあるのではないかと感じています。
当事者が紡ぐ介護の未来 〜関わりのプロセスとその先にある地域共生社会へ〜
続いて、堀田聡子氏より「当事者性」というテーマで、介護現場を含む地域共生社会において、それぞれが当事者になっていくそのプロセスで何が起きているのか、イベントのテーマ「介護の未来」に立ち返りながら、様々な観点から以下の内容をお話いただきました。

- コロナ禍において「自粛はするけど萎縮はしない」介護現場での葛藤や闘いとその工夫の様子
- の実践の連鎖がPDCAサイクルではなく、AARサイクルで行うことで広がりが拡大していくこと
- 認知症当事者が抱いている感情や思考とそれに対する私たちの捉え方
- 自分の感情に目を向ける時間の大切さ
- 介護の未来を考えた時に、「早くたくさん正確に遠くまで行くこと」が本当に社会が目指すべきことなのか?
日々障がいや病気とともに楽しく生きている人たちの知恵を循環させていくことで、本当に目指すその未来を創っていくことができるのではないかと強く心に残りました。
【第二部】クロストーク
クロストークでは登壇者に加え、モデレーターの大曽根衛氏と医師の奥知久氏をお迎えし、医療・介護・経営・学術と多様な視点から「人財」と「有事」というテーマのもと、それぞれがどのように第一部の話を捉えたのか、からスタートしました。

モデレーターからのコメント
早速「立ちすくむ組織から思考する組織へ」というキーワードが出てきましたが、それに対してそれぞれからこんなコメントがありました。

相手の気持ちは分かるわけない、だからこそコミュニケーションをとって知ろうとする。



心理的安全性を保つために、どんな職員でも最後まで寄り添う姿勢を示す。



考える→感情→行動へ繋がっていくから、感情にもフォーカスをする必要がある。
会場からも声が上がり(会場全体もクロス!)、理想と現実のギャップがありながらも、日々もがき足掻き、いかに介護が熱くてカッコいいかを改めて実感する時間となりました。




参加者の声
「考える」、「感情」、「行動」、「心の動き」、「小さな感動から大きな改革」など、沢山のキーワードをいただきました。
参加して本当によかったです。ありがとうございました。
聴講した後に、自分の気持ちが明日への介護、施設への思いのモチベーションが上がっていました。ありがとうございました。
感染のことだけでなく、介護に対する気持ちの持ち方、考え方を改めて考えられる機会ができてよかった。
やりたい事、おかしいと思う事を発信していなかった事に気付かせてもらえました。
沢山の嬉しい感想をいただきありがとうございました。
今回のイベントが参加者の皆様の学び、そして仕事へのモチベーション向上に繋がった事が伺えます。
最後に
「次回はぜひ長野で開催したい!」という沢山のお声をいただいており、次に向けた準備も進めています!
今年も『感染クラスター8』や『ユークリ講座』をやりたい!等のご相談は、随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

