
2024年から横山医師を中心に始まった、北海道紋別市での在宅医療普及活動について紹介いたします。
在宅医療支援システムの開発と普及に向けて
KISA2隊では、コロナ禍での経験を経て地域で安心して在宅医療を受けられる体制構築を目指し、在宅医療支援システムの開発と普及の取り組みを始めました。
在宅医療の現状と課題
現在、訪問診療を提供するには、以下のような準備と条件が求められています。
- 24時間・365日対応が可能な体制を含む、所定の基準を満たすこと
- 医療・看護・介護機関等との連携体制を確立すること
- 急変時や看取り時に、迅速かつ適切に対処できる体制を整えていること
これらを満たすためには、十分な人員確保と相応の体制整備が必要であり、個人のクリニック・診療所にとっては大きなハードルであると言えます。
また、地域によって以下のような課題も見えています。
- 都市部:多職種との連携が複雑化し、情報共有が進みにくい
- 地方部:医療資源そのものが不足しているという課題がある。さらに、診療所間の連携が難しく、そもそも連携可能な診療所が存在しないケースも少なくない。
こうした課題を解決するべく、KISA2隊は各地で在宅医療を導入しようとする地域の個人診療所の支援を始めており、その代表的な実践例が北海道・紋別市での取り組みです。
KISA2隊北海道(紋別)の実践
訪問診療が進まない現状への危機感
現在、KISA2隊北海道(紋別)の隊長である横山医師は、地域で訪問診療の体制が進まない現状を課題と感じている中で、新型コロナウイルス対策の活動を通じてKISA2隊と出会い、「MC(メディカルコーディネーター)システム」に可能性を見出し、KISA2隊紋別を発足し、同システムの導入を決断しました。
医師が本来の診療に専念できる環境を整えるスペシャリストです。
運転や事務対応、患者家族との連携、ファーストコール対応など、医療資格がなくても担える業務を幅広く担当し、在宅医療の現場を支えています。
《主な役割と効果》
- 医師の運転を代行し、移動中も業務効率を確保
- 患者・家族情報の共有や申し送りも的確に対応
- ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーでは担いきれない現場の実務支援を実行
- 様々な職種の役割を対応するため、多職種の視点を理解
- 常に学びと向上心を持ち、より良い在宅医療の実現に貢献
KISA2隊北海道(紋別)でのMCの役割

『患者さんのコンシェルジュ』というとイメージがつくかもしれません!
担当する患者のことなら全てを把握しており、検査・診察以外はMCが行うことも患者・家族に説明して同意を得て活動しています。
KISA2隊と連携した体制整備
その後、紋別市より地域の在宅医療の推進に関する助成を受け、2024年に本事業が開始されました。
- MC導入にあたっては、KISA2隊にコンサルティングを依頼し、導入計画を立案
- 訪問診療は24時間365日の対応が求められるため、KISA2隊から紋別へ医師が派遣され、体制整備を支援
- KISA2隊京都の「よしき往診クリニック」MC研修を実施
現在は、MCの人数も増えており、紋別の地域医療を担っています。
「北海民友新聞」での紹介と市民講座開催
2025年6月6日、北海民友新聞にてKISA2隊北海道隊長の横山医師と、KISA2隊の田上医師の講演の様子が紹介されました。
この講演は、紋別市内で開催された「市民健康講座」にて行われ、約120名の市民や医療関係者が参加され、在宅医療と緩和ケアの意義や実際の取り組みについて、事例を交えながらの講演が行われました。
詳しくは以下をご覧ください。

デジタル版でも紹介いただいています。(有料)・・・https://www.e-shinbun.net/minyu/?idgt=9
北海民友新聞社・・・https://minyu.online/

KISA2隊北海道(紋別)の拠点紹介
紋別市の基礎情報
