住民の癒しの場を作りたい!門前マルシェで健康・お薬・介護相談と喫茶コーナーを提供しました【KISA2隊 能登】

2024年10月12日(日)、能登・門前町において開催された町おこしイベント「門前マルシェ」にて、来場者の方々の健康維持と交流支援を目的とした「健康・お薬・介護相談ブース」を開催。KISA2隊の薬剤師、看護師、ケアマネ、介護士の多職種チームで参加しました。

血圧測定や個別の相談を通じ、地域の方々が抱える健康面での課題や日々の生活における悩みについて、直接お話を伺う機会となりました。

目次

出展ブース内容と所感

血圧測定の結果と健康相談の内容

血圧測定には22名が参加し、収縮期圧の測定結果は以下の通りでした。

相談の内容としては、「痛み止めの保管期間」「震災時の薬の確保」「食事や生活習慣の改善」「精神疾患を持つ家族との関わり方」など、さまざまな質問が寄せられました。

所感

  • 地域柄か、既往に高血圧がある方が多く、うち8割程度は薬物治療中。
  • 震災後10~20㎜Hg 程数値が上昇し、薬剤量を追加しコントロールされている方もみられた。血圧が高く受診を勧めた方が一名。食事・生活習慣の改善をアドバイスをした方が一名。
    ⇒高血圧に関する危機感を持っている方が多い印象。
  • 「血圧測定できますよ」と声をかけると殆どの方が寄って行かれた。
  • 不整脈の方もいたが、震災前より指摘あり経過は良好。
  • 地震や水害にも負けず、食べるのが好きという方が多かった。そのため、体重や血糖値のコントロールの相談もあった。
    ⇒栄養バランスやエネルギー量の管理が困難であることが課題。
  • 水分摂取も気にはしているが、体重換算すると不足している方が多い印象。気温の低下と共に摂取量が更に減る可能性がありアドバイス。
  • 農作業をしている方も多く、年齢より足腰がしっかりしている方が多く、 ご近所の方同士荷物を持ち合うなど繋がりの強い地域性が伺えた。

きっさ「KISA2」の活動

健康相談の後には、ホッと一息つける場所として、自宅で焙煎したコーヒーや静岡のお茶を提供しました。また、新大阪駅で購入した大阪や京都のお菓子も並び、来場者同士が交流できる場を作りました。

所感

  • 健康相談後や健康相談の順番待ちの間に、来場者同志で交流できる場を作ることができた。午後からは、近くの小学校での運動会帰りの家族がお昼を持ち込んで談笑する姿も見られた。
  • 来場者だけでなく、主催者や出店者さんにも喜んで頂けた。
  • お菓子が一瞬でなくなった & 家族に持って帰りたい人も多数いたので、持ち帰り用の小袋、もっとたくさんあればよかった。
  • お菓子以外に、ゆでた栗が好評!これ和倉の栗?おいしいね、とお年寄りが器用にむいて食べていた。
  • 仮設からバスでまとまって来るため、来る時は一気にやってくる。コーヒーはあらかじめ多めに入れておかないと間に合わなかった。
  • コーヒーに砂糖とフレッシュを大量に入れる方が多い
  • コーヒーとお茶のニーズは半々

介護相談(雑談)の内容

介護相談コーナーでは、タオルを使った簡単な運動やケアマネによる相談を行いました。震災や水害の話よりも、雑談をして笑い合うことが多く、仮設住宅での仲良しグループが和やかな雰囲気を作り出していました。

所感

  • タオルを使っての体操を実施。比較的、震災や水害の話よりも雑談をして笑って話すことが多かった。
  • 仮設での仲良しグループがある様子で、2~3人で行動している感じ。
  • 花盛りのおばあさま達からの「私たちいくつにみえる?」の年齢当てクイズを出された。みなさん年齢より若く見えた。
  • 栗の剥きかたのレクチャーをされた。
  • 来場者は会場に歩いてくるぐらい元気な人たちばかりで、介護よりも医療(※自身の健康)について聞きたい人が多かった印象。体操も結構、習慣づいている様子もあり、世間話でもいいのかなという感じ。
  • 世間話をするなら、その中に地元の方や、今回の私たちのように隣の市町から来るスタッフがいると、さらに入り易い雰囲気が作れるのではと思った。

総括・振り返り

健康・お薬相談には22名、介護ブースには約20名、喫茶コーナーには約40名の来場者がありました。

2024年1月の地震に続き、9月に発生した大規模水害から数週間しか経っていない状況での開催だったため、イベント実施への懸念もありました。しかし、「こんな時だからこそ、住民のみなさんに癒しの場を提供する!」という主催者の強い思いが実を結び、「健康&お薬&介護相談ブース」を無事に開催することができました。

相談を通して、自身の健康について気軽に話したいと考える高齢者が多いことを改めて感じました。一方で、お独りで来場される方や男性の参加者が少ない現状もあり、今後はより多様なニーズに対応できるよう、介入方法の工夫が必要だと考えています。

今回の活動はボランティアを中心に実施しており、継続性が課題となっていましたが、幸いにも今後は金沢医大病院薬剤部に引き継いでいただけることになりました。当日得られた知見や経験は、引き継ぎの際にしっかりと共有し、次回以降の活動に役立てていきたいと考えています。

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